シンがプラントへ渡るまでを描く。 先の戦争が始まったのは、彼が14歳のときであった。当時シンとその家族は、中立国のオーブに移り住んでおり、そのため戦時下にも関わらず穏やかな日常を過ごしていたのだ。 が、戦況の変化と共に、オーブにも戦火が近付こうとしていた。旗色の悪くなった地球連合軍は、再三に渡ってオーブに協力を要請していた。しかし、中立を理念とするオーブはこの要求を呑まず、交渉は決裂。地球連合の艦隊は、オーブへの攻撃を開始する。この攻撃で、シンは家族を一瞬で失ってしまった。妹・マユの携帯電話を握り締め、激しく嗚咽するシン。そんな彼に優しく声を掛けたのは、オーブ軍のトダカ一佐であった。 その後戦争は舞台を宇宙に移し、やがて和平条約が結ばれた。身寄りのないシンは、トダカの計らいでプラントへと移住し、やがてザフトへ入隊する。力を手に入れ、大切なものを二度と奪われないために……。